最終更新日2026年6月28日
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国内のコンサルティング会社200社以上を分析し、コンサルティング業界地図(カオスマップ)を作成しました。複雑で分かりにくいコンサルティング業界を3つのカテゴリーと9つのサブカテゴリ―にシンプルに分類しています。シンプルさを保ちつつも、プレイヤーの網羅性と最新動向を可能な限り反映させました。

■業界地図の作成概要
分析対象:国内コンサルティング会社200社以上
分析時期:2023年12月
作成方法:デスクトップ調査(IR資料、専門誌等)で得た情報に業界知見を掛け合わせて作成した。
調査機関:FCON編集部(大手コンサルティング会社の勤務経験者含む)
コンサルティング業界地図(カオスマップ)
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コンサル業界の分け方
始めに、コンサルティング業界の全体像を理解する目的で、3つのカテゴリーに分けました。便宜上ラベルを貼ると、①学問ブティック、②IT改革、③公共・地域経営の3つです。
次に、具体的なプレイヤーを理解する目的で、9つのサブカテゴリ―に分けました。経営戦略、FAS、組織人事、マーケティング、総合、AI・データ活用、シンクタンク、中小経営、中小M&Aの9つです。

①「学問ブティック」カテゴリーには、戦略、FAS、組織人事、マーケティングの4つが入ります。②「IT改革」カテゴリーには、総合、AI・データ活用の2つが入ります。③「公共・地域経営」カテゴリーには、シンクタンク、中小経営、中小M&Aの3つが入ります。
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①「学問ブティック」カテゴリー
「学問ブティック」は、体系的な方法論をベースとしたコンサルティングを行うカテゴリーです。例えば、マイケル・ポーターの5フォース分析・バリューチェーン理論、フィリップ・コトラーのPEST分析・STP理論、デイヴィット・アーカーのブランドエクイティ理論、ボストン・コンサルティング・グループのPPM分析のような体系的な方法論を使い、「経営戦略」、「財務」、「組織人事」、「マーケティング」各々の分野で専門特化したコンサルティングを行います。日本は歴史的に欧米の学問を後追いしており、代表的なプレイヤーは外資系が多いです。歴史をより詳細に知りたい方は以下書籍がおすすめです。
波頭亮「経営戦略概論―戦略理論の潮流と体系」
並木裕太「コンサル100年史」
三谷宏治「経営戦略全史」

■「経営戦略」コンサルティング会社は、大企業の経営層を主な顧客に、経営の戦略的課題を取り扱い、全社戦略、事業戦略、マーケティング戦略、生産戦略、技術戦略、営業戦略、物流戦略といった様々な分野でプロジェクトを行います。戦略とは、簡単にいうと競争に勝つための企画です。詳細は、コンサルタント必読書である大前研一氏と波頭亮氏の解説書をおすすめします。
大前研一「企業参謀-戦略的思考とはなにか」
波頭亮「戦略策定概論-企業戦略立案の理論と実際」
プレイヤーは、外資の戦略コンサルティング会社が中心です。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、ベイン・アンド・カンパニー、カーニー、ローランドベルガー、アーサー・ド・リトルが特に存在感があります。他には、外資の戦略コンサルティング会社の出身者が独立して設立したコンサルティング会社(堀紘一氏のドリームインキュベータ、冨山和彦氏等のコーポレート・ディレクション)もあります。
■「財務」コンサルティング会社は、財務周辺の高い専門性が求められるM&Aや企業再生に関連するプロジェクトを行います。一般的にFASと呼ばれます。FASとはファイナンシャル・アドバイザリー・サービスの略語です。プレイヤーは、世界4大会計事務所グループのFAS部門(デロイト・トーマツ・ファイナンシャルアドバイザリー、PwCアドバイザリー、KPMG FAS、EY FAAS)が中心です。他には、フーリハン・ローキー、経営共創基盤、フロンティア・マネジメントが有名です。
■「組織人事」コンサルティング会社は、組織設計、人事制度、報酬制度、退職金・年金、福利厚生、風土改革、リーダー育成などに関連するプロジェクトを行います。主なプレイヤーは、外資大手マーサー、コーン・フェリー、国内大手のリクルートマネジメント・ソリューションズ、リンクアンドモチベーションが有名です。
■「マーケティング」コンサルティング会社は、ブランド、コミュニケーション、価格、LTV(顧客生涯価値)などに関連するプロジェクトを行います。主なプレイヤーは、ブランド価値評価で有名なインターブランド、大手広告代理店のコンサルティング部門(博報堂コンサルティング、電通コンサルティング)、大手メーカーのマーケター出身者が独立して設立したコンサルティング会社(森岡毅氏の刀、藤田康人氏のインテグレート)があります。
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②「IT改革」カテゴリー
「IT改革」は、ITで組織やビジネスの実務に変化を起こすコンサルティングを行うカテゴリーです。インターネットが普及した2000年代から大きく飛躍した比較的新しいカテゴリーで、近年のコンサルティング業界の成長をけん引しています。抽象的な戦略や計画をまとめるだけでなく、それらを現場の実務で実行していく「総合」的なケイパビリティ(能力)が求められます。ITは、ERP(基幹業務システム)のSAPやSFA(営業支援システム)のセールスフォースといったパッケージソフトウェアを使うことも多いですが、基本的には現場の実務を踏まえてカスタマイズしていきます。システム開発・運用を担当するシステム・インテグレータ―との関係性が深く、システムインテグレーションとコンサルティングを合わせて提供するプレイヤーも多いです。例えば、アクセンチュア、IBMがその典型です。2010年代以降は、「AI・データ活用」分野の技術水準が実務利用が可能な水準まで飛躍的に伸び、特にコンサルティングニーズが高まっています。他の近年の動きとして、ITによる新規事業・顧客体験の開発ニーズも高まり、開発に必要なデザイン機能やデジタルサービスの開発・運用機能を内製化するコンサルティング会社も増えています。

■「総合」コンサルティング会社は、現場の実務改革を上流の戦略・計画策定から実行までの一連のプロジェクトを行います。具体的な業務やシステムに深く関わるため、長期間のプロジェクトになりやすく、コンサルタントが現場の実務に入り込むことが特徴です。プレイヤーは、システム・インテグレータ―を兼ねた外資大手コンサルティング会社(アクセンチュア、IBM、キャップジェミニ)、世界4大会計事務所グループのコンサルティング部門(デロイトトーマツコンサルティング、PwCコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、KPMGコンサルティング)、国内大手システム・インテグレータ―母体のコンサルティング会社(アビームコンサルティング、フォーティエンスコンサルティング、日立コンサルティング、リッジラインズ)を中心に、独立系のコンサルティング会社(ベイカレント・コンサルティング、ノースサンド、フューチャー、マネジメントソリューションズ、ライズ・コンサルティング・グループ)も規模を拡大しています。
■「AI・データ活用」コンサルティング会社は、実務へ展開する芽が育ち始めたAI・データ活用に関連するプロジェクトを行います。プレイヤーは、PKSHA Technology、Preferred Networks、HEROSのような技術力に強みを持つ新規参入プレイヤーが多いです。
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③「公共・地域経営」カテゴリー
「公共・地域経営」カテゴリーは、公共性・地域性の高いコンサルティングを行うカテゴリーです。具体的には、国・自治体の調査研究、地域の中小企業に対する経営支援を主に行います。経営資源が潤沢で、中小企業との接点が強固な金融機関の「シンクタンク」部門の存在感が大きいですが、最新の統計データで約360万社ある中小企業の「中小経営」課題を丁寧に捉えたコンサルティング会社も多く存在します。近年は、中小企業の経営者の高齢化に伴い、事業承継ニーズを捉えた「中小M&A」コンサルティングに勢いがあります。

■「シンクタンク」は、公共性・地域性が求められる金融機関や大企業(公共システム、商社、流通、労働など)の調査研究部門です。全国規模の金融機関(野村総合研究所、三菱総合研究所、日本総合研究所、みずほリサーチ&テクノロジーズ)に加えて、地銀系列の比較的小規模のシンクタンク(浜銀総合研究所、ちばぎん総合研究所)が全国に数多くあります。他には、NTTデータ経営研究所、富士通総研、三井物産戦略研究所、NX総合研究所、リクルートワークス研究所が有名です。
■「中小経営」コンサルティング会社は、中小企業特有の経営課題に対してサービスを提供します。顧客となる中小企業1社1社には、大企業水準でコンサルティング料を支払う余力がないため、低価格のパッケージ型のコンサルティングサービスを横展開し、数多くの企業に提供することに特徴があります。主なプレイヤーは、船井総合研究所、タナベコンサルティング、ビジネスブレイン太田昭和が有名です。
■「中小M&A」コンサルティング会社は、中小企業のM&Aに特化したサービスを提供します。M&Aのニーズ掘り起しから買収に至る実務全般を行います。M&Aが成立した場合の成果報酬を主な収益源とするビジネスモデルに特徴があります。地銀・信用金庫、小規模の会計事務所、商工会議所とアライアンスを構築して、収益を分け合う場合もあります。主なプレイヤーは、日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライク、M&A総合研究所、ファンドブックが有名です。派生して、自ら中小企業に投資し、当事者として企業価値を向上させた後に売却益を得るPEファンドを展開するプレイヤー(プロレド・パートナーズ)も出てきています。
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【国内の潮流】上場するコンサルファーム
国内のコンサルティング業界のトレンドをみると、2010年代から国内資本のコンサルファームが上場する事例が増えています。新規上場で得たブランド力・資金力をてこに、採用強化、拠点拡大、サービス領域の拡張、M&Aなど進め、事業の飛躍的な拡大に繋がっています。
外資中心だった「総合」コンサルティングにおいては、内資のベイカレントやノースサンドが、上場を機に、ワンプール制・営業専門部隊を強みに急拡大し、存在感を強めています。特に、ベイカレントは日経225の構成銘柄にもなり、日本を代表する企業に短期間で成長しました。また、「中小M&A」コンサルティングにおいても、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライク、M&A総合研究所、名南M&A、ジャパンM&Aソリューションと上場が相次ぎ、内資の上場会社中心に市場の成長をけん引しています。
■コンサルファームの上場事例
2013年(シグマクシス、M&Aキャピタルパートナーズ)
2014年(データセクション)
2016年(ベイカレント、ストライク)
2017年(PKSHA Technology、エル・ティー・エス)
2018年(HEROZ、マネジメントソリューションズ、プロレド・パートナーズ、フロンティア・マネジメント、エクスモーション、アルー)
2019年(識学、名南M&A)
2020年(いつも、オンデック)
2021年(セルム、サーキュレーション、デリバリーコンサルティング、エフ・コード)
2022年(M&A総合研究所、INTLOOP、ギックス)
2023年(ブリッジコンサルティンググループ、ライズ・コンサルティング・グループ、ABEJA、ジャパンM&Aソリューション)
2024年(グロービング)
2025年(ノースサンド、辻・本郷ITコンサルティング、リブ・コンサルティング)
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【世界の潮流】マッキンゼー・アンド・カンパニーの買収事例
最後に、海外のコンサルティング業界のトレンドをみていきます。世界的なマーケット・リーダーであるマッキンゼー・アンド・カンパニーの買収事例によく表れています。以下スライドは、マッキンゼーの近年の買収事例を時系列でまとめたデータです。

買収事例を括ると、クリエイティブ×デジタル分野(2015年LUNAR、2021年Hypothesis、2022年LOBO)、気候変動・サスティナビリティ分野(2021年vivid economics、2021年planetrics、2022年MATERIAL ECONOMICS)は目立ちます。なかでも、IT改革・特にAI・データ活用分野(2015年Quantum Black、2022年caserta、2023年iguazio、2025年etml)に注力しているようです。
マッキンゼー・アンド・カンパニー日本法人においても、現場の実務まで深く踏み込んだデジタル部門(マッキンゼー・デジタル)を新たに立上げ、アクセンチュアを筆頭とするIT改革カテゴリーのプレイヤーとの競合関係が人材の奪い合いも含めて激化しています。(完)
■コンサルティング業界地図・解説記事の掲載企業一覧
ボストン・コンサルティング・グループ、マッキンゼー・アンド・カンパニー、カーニー、アーサー・ド・リトル、ベイン・アンド・カンパニー、コーポレート・ディレクション、ローランドベルガー、ドリームインキュベータ、PwCアドバイザリー、デロイト・トーマツ・ファイナンシャルアドバイザリー、KPMG FAS、EY FAAS、フーリハン・ローキー、経営共創基盤、フロンティア・マネジメント、マーサー、コーン・フェリー、リクルートマネジメント・ソリューションズ、リンクアンドモチベーション、タワーズワトソン、インターブランド、博報堂コンサルティング、電通コンサルティング、インテグレート、刀、IBM、アビームコンサルティング、フューチャー、デロイトトーマツコンサルティング、アクセンチュア、ベイカレント、ノースサンド、日立コンサルティング、フォーティエンスコンサルティング、シグマクシス、ライズ・コンサルティング・グループ、キャップジェミニ、KPMGコンサルティング、PwCコンサルティング、電通デジタル、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、リッジラインズ、マネジメントソリューションズ、INTLOOP、dirbato、ビジョン・コンサルティング、ブレインパッド、HEROZ、 PKSHA Technology、Preferred Networks、インキュデータ、野村総合研究所、みずほリサーチ&テクノロジーズ、日本総合研究所、三菱総合研究所、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、富士通総研、大和総研、NTTデータ経営研究所、リクルートワークス研究所、りそな総合研究所、第一生命経済研究所、ニッセイ基礎研究所、ちばぎん総合研究所、浜銀総合研究所、三井物産戦略研究所、NX総合研究所、タナベコンサルティング、ビジネスブレイン太田昭和、船井総合研究所、山田コンサルティンググループ、日本M&Aセンター、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズ、M&A総合研究所、ファンドブック、プロレド・パートナーズ、Finalta、LUNAR、4Tree、Quantum Black、Visual DoD、Price Metrix、Risk Dynamics、aberkyn、Elixir、Westney Capital Analytics、vivid economics、planetrics、Hypothesis、CANDID、S4G Consulting、caserta、MATERIAL ECONOMICS、LOBO、SCM connnectios、iguazio、Strategic Estimating Systems、etml
年収を上げる新たな働き方「フリーコンサル」とは?
フリーコンサルとは、フリーランスとして働くコンサルタントのことをいいます。会社組織に属さず、個人事業主として顧客と契約を結び、コンサル案件を請け負います。近年、コンサルタントの新しい働き方として注目されています。
フリーコンサルは、会社員の固定給とは異なり、ご自身で働いた分だけ収入が増えることが特徴です。一般的に、フリーコンサルで案件を受注すると、会社の利益や管理費用分が差し引かれなくなるため、同じ業務量でも収入が1.2~1.8倍に増えるケースが多いとされています。高収入を得る新しいエグゼクティブキャリアとしての認知度も高まりつつあります。
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